絵画教室のモチーフ 野菜デッサン

感受性の変化

現代の多くの知識や経験はテレビやインターネットの画像を通して入って来ます。見ているのは建物や車や人や動物の映像ですが、実際には平面のテレビ画面やモニターの平面です。平面上に色彩や陰影が現れて情報として形体が現れるのが映像の仕組みです。映像の経験で育った人たちに絵を描いてもらうと、色彩やなめらかやガサガサなどのものの性質はよく描写しますが、その土台に
なっている形が希薄です。目を瞑って手で感じるような形体感があまりありません。絵のデッサンでは基本が形体で、形体同士の位置関係や距離などを描いてゆくのですが、その元になる形体が平面的な画像になっていることが多いのです。イラストやデザインでは平面の媒体に載せられる絵なので、形体は輪郭程度で十分なのですが、絵画を平面以上のものとして構成しようとすると土台の形体が欲しくなります。ところが、映像で育った人たちはその違いがわかりません。実体験がないのです。ものを直接手で掴んだことがないのです。フライドポテトは大好きでも、大きなじゃがいものを洗ったり、皮をむいたり、切ったりしたことがないのです。少しでも形体感に気づいてほしいので、時々、野菜をモチーフとして皆に描いてもらっています。特に円筒形の野菜は映像表現では得られない手触りが表現できます。

描く力は見る力、そもそも感じる力と関係しています。形が描けるようになるには、形を感じる力を育てる必要があるのです。そのためには粘土による野菜の再現なども有効なときがあります。必要に応じて粘土も取り入れてレッスンしています。

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