
毎年、どこかで大々的な「モネ展」をやっていて、行くたびに感動するのですが、毎回色彩の美しさに感動です。あのコバルトヴァイオレットの輝きは印刷では感じることのできないときめきを与えてくれます。30年ぐらい前肖像画の背景に柔らかな紫色を使ったっことがありました。混色でコバルトヴァイオレットを装って、ほぼ同じ色で塗ったのですが、5年、10年と経つうちに、画面全体に薄いカビのような斑が生じ、年ごとに鉛色に変色してゆきました。顔の周辺のコバルトを使ったところとの差が一目瞭然となり、大失敗を経験したことがあります。
モネのコバルトヴァイオレットの輝きを見るたびに失敗を思い出します。4,5メートルもある大画面に長いパレットナイフでザッザッとコバルトヴァイオレットが被せられてるのを見るだけでも、モネの色彩への執着に感動しました。やろうと思うと小さなチューブでも3000円はする超高級色なので、とてつもなく本気でなければできません。また、美術本などの印刷では失敗作に思えていた「バラ園から見たモネ邸」でも特上のヴァーミリオンかカドミウムレッドが見事に空間を支配していました。特にモネに関しては美術本と実作とは別物です。美術本で十分に美しいのですが、実作では別の次元で、今回も驚きと魅惑でした。